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[新たな英首相スナク氏] 政治家や国のTOPたちはどうして金持ちばっかりなのか!? 

イギリスのビッグベン

みなさまこんにちは。

どうも、私です。

近頃、イギリスの首相が辞任されたそうで大変話題になってますね。

しかも後任の首相がインド系の人だということで・・・「史上初!アジア系の英首相!」なんて騒いでますね。

正直いって自分のなかのイメージだと「インドはインド」って感じで、あんまり「アジア」って感じしないんですが・・・あんまり近くの印象ないっす(汗)

しかしアジア系うんぬん以上に話題となっているのが、なんとこの人、めっさ金持ちらしい!

へたをすると英国王チャールズより金持ちだとか!!

(まあ、世界史をふりかえると王より金持ってる貴族とかゴマンと登場するけどね・・・)

しかしこうなると、心境おだやかでない御仁も多いでしょう!

何だよ!けっきょく権力GETするのは金持ちばっかりじゃないか!!フザケンナ!

そう思うのも人情でしょう。

ですが、それこそが民主主義なのです!

・・・といったらまなさまは訝しむでしょうか。

それではその意味について歴史から紐解いていきたひと思ふ今日このごろである。

金持ち新首相・スナク氏とは?

正直いって私もこの人についてはよく知りません。

それは私が不勉強なせいもありますが・・・この人そのものがつい最近こつ然と現れた感じの人なのです。

彼が政治の世界に現れたのは2015年。保守党からデビューし下院議員として初当選。

その後、前々首相のボリス・ジョンソン政権のもとで財務相に大抜擢され注目をあつめ一躍有名になった。

彼のお父さんとお母さんがアフリカから渡ってきたインド系の薬剤師で、スナク氏自身はイギリスで生まれた。

そしてイギリスの名門オックスフォード大学から、大学院はアメリカのスタンフォード。

卒業後はゴールドマンサックスやその他ヘッジファンドに勤務していたそうな。

め・・・めちゃくそドえらいエリート様じゃねえか!こんなやつに俺ら庶民の苦しみがわかんのか!!

スナク氏の奥さんもインドの大金持ちらしく、夫婦の資産はあわせて1200億円相当にのぼり、これはイギリス国王チャールズの資産の約2倍にのぼる!

ジョンソン政権下で活躍してたころは工事現場に8万円もするプラダの靴履いてきてヒンシュク買ったりした逸話も有名。

スナクさん・・・大丈夫なん?

心配そうな顔

ところで調べているうちにスナク氏、大丈夫なの?って心配する意見がみられたので検証してみる。

奥さんが脱税? スナク氏の奥さんはインドの富豪で莫大な所得があるのだが、所得税をイギリスの納めていなかったとして批判を浴びている。いちおうイギリス国外で得た所得に対する所得税はイギリスの納めなくていいとかなんとか(非居住者制度)でセーフだったっぽいが、なんとその金額32億円。あまり印象はよくなさそう。

庶民は増税? 自身はスーパーリッチな大金持ちで贅沢な暮らしをしがら財政再建をうたって増税の可能性をにじませている。そのくせ所得税は減税するとの話もあるので金持ちが金持ちの為に政治やってる印象は拭えない。前項の納税問題とあわせて批判の的になりそう。

アメリカ永住権持ってた インド系とはいえ、イギリスの財務大臣まで努めたイギリスの政治家であるにも関わらず外国(アメリカ)の永住権を持っていた。これは・・・まずくないですかい?国防上?

裏切り者? 無名の下院議員にすぎなかったスナク氏を引き上げてくれたボリス・ジョンソンを後ろから○したという裏切りのイメージがついてしまった。ジョンソン政権下でのナンバー2のポジションだったにも関わらずいち早く辞任し、ジョンソン政権崩壊のきっかけを作ったと言われている。

その他にも、イギリスの労働者や貧民を見下した発言とやらがネットで拡散されているらしくイギリス人の怒りを買っているとのこと・・・大丈夫かぁ~?

つーか何で政治家とかって金持ちばっかりか!はい。それが民主主義です(笑)

興奮する民衆。

?「みんなー!民主主義は好きですか―!」

民衆「OHHHHHHH!!」

?「みんな―!民主主義こそ絶対的正義だよなぁーーー!!!」

民衆「YEAHHHHH!!!」

?「じゃあ政治家が政治で金儲けしてもOKだよなぁーーーーー!!」

民衆「BOOOOOOO!!!!」

Why?民主主義が大好きいうたやんけー。

民主主義の欠点はいくつもあげられるが、その一つは『選挙に金がかかりすぎる』点である。

選挙で民意を反映させていくのが民主主義である以上、選挙をやらないわけにはいかない。

だが小さな村や町の村長or町長選ぶレベルならまだしも人口5000万~1億の近代国家で選挙やるとなると国をあげての一大イベントになってしまう。

そんな大掛かりな行事にエントリーするとなると、とんでもなく金がかかる。

選挙に出るのに金がかかかる(供託金)。

選挙事務所かまえるのに金がかかる。

スタッフを雇うのにも金がかかる。

地域の有力者に実弾バラまけばやはりお金かかる。

出るのにも、やるのにも、勝つためにも金がかかるのだが・・・そうやって投資したマネーはどうやって回収するのでしょう???

たくさんお金つかって議員になっても、なったあとに利益を享受できなきゃあ「赤字」になってしまう。

だからパーティとかやって『集金』するわけだ!

選挙に出る人って二世議員とか、会社の社長とかがおおいでしょ?

金がなければ政治家になるのは難しいし、金のないやつが政治家になると『回収』が大変になる。

それは構造的に選挙に金がかかってしかたないから。それが民主主義。

ただひとつ断っておきたいのは、別に『集金』が悪いといっているわけではないのです

仮に、本当に、本心から国を良くしようと思って政治家になったとしても。金のない政治家なんて何の力もないのだから

ようするに、金の匂いプンプンさせた政治家が嫌いな人。

政治家の汚職が許せない人。

政治家やTOPに清廉潔白を求めちゃう人は民主主義が合ってないのかもしれませんよってことー。

専制国家の方が汚職すくないかもよー。

王様の金とったら首チョンパーだから。

民主主義はもともと遊牧民の政治システム。
牛を飼うおじさんの画像。

そもそも民主主義というのは土地に定住しない遊牧民の統治システムであった

遊牧民は草原で家畜を飼う。

家畜が草を食べ尽くしたらまた別の土地へと移動を繰り返すわけだが・・・。

ここで族長、酋長の独断で草も生えないような辺鄙な場所へ連れて行かれては、家畜も部族も全滅してしまう恐れがある。

だからこそどこへ向かうか、話し合って民主主義で決める。

しかしそれは自分たちの街や定住する土地を持たない遊牧民のやりかたである。

経済的にあまり豊かでないのでみな平等に貧しく、小規模で、単純な構造の社会では上手くいくやりかたであった。

しかし農耕民は土地に定住し、家を建て、街を築く。

農地から定期的に収益が得られ、収穫物の交易により商業が栄えることで街は経済的に発展する。

経済的に豊かになれば大きな金が動き、人口は増える。

貧富が生まれ、社会構造は複雑化していく。

高度に発展した大所帯で複雑化した土地定住者の社会に、遊牧民の統治スタイルをあてはめようとすれば当然問題が発生するのは必定である。。

ゆえに歴史上、民主政の国や街の多くは短命に終わったのである。

いまでこそ民主主義こそ最高!ともてはやされているが世界史における民主政とは衆愚政と同義のあつかいだった。

民主主義が絶対的に良いもののように言われるようになったのはつい最近のこと。

つい最近、アメリカが覇権国家となり、そのアメリカが民主政を謳っているためそれがベストなスタイルであるように言われるようになった。

(実際のアメリカは民主政ではなく、チャイナと同じく寡頭制・共和制のように思えるが・・・)

実際は、民主政も君主制もそれぞれ長所と短所があり、どちらかが絶対の正解ということはないのである。

たとえば、かつての共和制ローマは民主制と独裁制を状況によって使い分けるという高度なことやっていた。

民主政のいいところはお馬鹿がTOPになってしまっても、直ちに破滅するリスクが少ない点だ。TOPが独断で実行する権限を与えられていないから。

そのかわり、戦争や災害などの緊急時にはクソの役にも立たないのが民主政というやつだ。

平和的な話し合いに時間を費やしてる間に攻め込まれて滅ぼされてしまう。

共和制ローマでは通常はTOP(コンスル)が二人いて協議して国家を指導するが、緊急時にはその一方に期限付きの独裁権を与えて強力なリーダーシップで問題解決にあたらせる。

しかし現代では「民主政=絶対的な善」であり、「独裁=問答無用で悪」と決定づけられてしまている。

なぜこんなことになった?

古代ギリシャの政治家って基本的に金持ちがなるもの。

パルテノン神殿。

みんな大好き古代ギリシャ。

古代ギリシャは古代なのに民主主義を実践してたんだぞー?

いまの統治システムと同じじゃん!古代ギリシャって進んだ文明だったんだねー!?

その大変に素晴らしいギリシャ文明を受け継いでるからヨーロッパはとっても偉くて高度な文明なのだ〰!

そういってヨーロッパ人はずっと威張っていたのだが。(マジである)

ここで問題なのはその古代ギリシャの民主制だ。

もともとギリシャの・・・というかアテネの議員さんというのは金持ちばっかりだった。

なぜならアテネの議員というのは名誉職のようなもので原則として無給であった。

ガチで国を良くしたいやつだけが名乗り出て無給で国に尽くす。

無給で政治活動なんかしていたらいったいどうやって飯を食えばいいのか?

貧しい農民やら平民が朝から晩まで農作業してから政務なんかできるか?

無給で国に尽くす仕事なんかできるのは、国に生活の面倒見て貰う必要が無いような金持ちだけだった。

つまりアテネの政治は長らく貴族制だった。

しかしそれはそれで平民の不満が募るもので。

あるときペリクレスとかいうオッサンが平等の名の下に参政権をばら撒いた。しかもクジ引きで!

別にペリクレスが優しいわけでも平等主義なわけでもなく、貴族会を形骸化させるためにやったわけだが。

するとクジに当たった農民とかが晴れて議員様とかり議会に拘束されることとなる。

このように、貧乏人を議会に参加させるために議員の給料というものが生まれてしまった

そして昨日今日議員になった無教養な貧民に政治のことなど分からないから結局ペリクレスの言いなりになってしまう。

みなが褒めそやすアテネの民主制なんてのは所詮ペリクレスの独裁・衆愚政治でしかなかった。

そしてペリクレスがペストで亡くなると、扇動政治屋が跋扈し政治は腐敗していった。

そうして古代ギリシャは失速し、ローマに取って代わられたのだった。

何がいいたいかというと、民主政治ってそんなものだということ。

ヨーロッパ人が過度に美化して語る古代ギリシャの民主制ですらその程度のものだった。

民主政 ≒ 一部の金持ちの政治 ≒ 衆愚政

政治家が金持ちばっかりなのは民主政の仕様です。

ここまでさんざん民主主義を悪いところばかりを並べ立ててきたが、別に独裁がスバラシクて民主政が全くだめだと主張したいわけじゃない。

ただあまりにも世間の評価が偏りすぎているので民主政の正体について述べさせていただいた。

実際、いまでこそ民主主義こそ最高!って風潮が定説化しているが、アメリカが覇権国家となるまでは民主政=衆愚政というのが常識だった。

そのアメリカだって民主政をかたってはいるが現実は一部の支配者階級(エスタブリッシュメント)による寡頭制であり共和制にすぎない。

それもそのはず。アメリカ建国のさいにモデルとしてのが共和制ローマだったのだから。

共和制っていうと民主政とごっちゃにしてる人が多いけど、正確にいうと『貴族共和制』である。

最大の支配者である王様がいなくなったらみんな平等で平和だとおもいますか!?

形の上で一番えらい王様がいなくなったら、名実ともに『貴族階級』の天下である。

つまり共和政っていうのは貴族どものやりたい放題システムに近しいのだ。

(日本にもいるよね・・・天○いなくなれば国民は平等とか思ってるひと)

さて・・・現代の多くの民主政(を名乗る貴族共和政)の国々において『貴族』とは何者であろうか??

いうまでもない。

金持ちどもさ。

現代の貴族。スナク氏は名宰相なりえるか?

別に金持ちや貴族が政治家になっちゃいけないわけじゃあない。

金のない政治家なんて、力のない政治家と同義だから。

・・・じゃあ金持ちが政治家になったら、自前の金を世のため国の為に使うだろうか?

スナク氏がどのような首相になるかはまだ未知数であるが、今回はあくまでも歴史から読み解いた一般論を語らせて頂きました。

①民主政とは現実には貴族共和政(寡頭制)であること。

②民主政において政治家になるには金が無いと無理なこと。

③ゆえに政治家達が現代の貴族たるセレブリティばっかりなのは当然といえる。

フランスのマクロン。アメリカのトランプ。プー○ンもいまや宮殿に住んでいる。

中国の政治家というのは政治家というより資産家であるし。

やはり金は力であるなーと思う次第。

うーむ。なんか話にうまいオチがついてない気がするが、長くなったのでここらで終了。

では。

また。

どこかでー。

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