みなさん。どうも。
私です。
今回は久しぶりに歴史ネタで一本記事を書いてみようかと思います。
歴史ネタっていちいち本棚から資料とか引っ張り出して”裏”とらないといけないから書くのにめっさ時間かかるんですよねー。
自分は学生時代は理系だったから、文系の人たちのように受験科目として歴史を勉強してない。
10代~20代の若い時間と脳みそを歴史の勉強に捧げてないので、どうしても基礎力に不安があるんですよねー。
しょせんは社会人になってから歴史本や映画なんかで「趣味」として学んだレベルだから。
なので、ボロが出ない程度に、ファミレスや居酒屋で披露する「雑学」レベルの歴史ネタをどうにか膨らませて記事にしたいとおもいます。
どうかお付き合いを・・・m(_ _)m
Contents
英和辞典には「Emperor=皇帝」って書いてあるぞ!?
ブログのタイトルにツッコミを入れたいって言ってくれる方いるでしょうか?
ちゃんと食いついてくれたかなー(心配)
おいおいおい!嘘いうなよ!英和辞典にエンペラー=皇帝って書いてあるだろ!!
なんて炎上するような活気あるブログになりたひ。
マジレスすると、皇帝とエンペラーは別物です。
「皇帝」って漢字2文字でしょ?
ヨーロッパに漢字無いから「皇帝」はいないのです。
いやいやいや!言葉が違うから呼称が違うだけで、同じような存在がいたんでしょ!?
呼称も違うし、性質からして、その誕生の理由からして全く別の存在なのです。
ただ、たぶんヨーロッパ人がアジアを侵略してまわった時代にチャイナの皇帝を見て・・・
「あ!皇帝って俺らの文明でいうところのEmperorじゃね??」
ってふうに勝手にカテゴライズしたのではないでしょうか?ここは私個人の推測なので念のため。
なぜそんな推測をするのかと言うと、他に同様の事例があるから。
たとえば「政治」。政治って昔は「まつりごと」っていいましたよね。
まつり=祀り。昔は、神々を祀ることと世の中を動かしていくことはセットでした。一体でした。
それをよそからやって来た欧米人が見て、「あ、これは俺らのいうところの”政治”だ」「これは俺らのいうところの”宗教”だ」って勝手に分類しただけのこと。
同じようにして、「武道」は「スポーツ」に分類されたし、「天皇」も「エンペラー」に分類されちゃった。
しらぬ間に、当時の白人様にも理解できる形に再編集されて少しだけ形を変えられてしまったのが現在の日本文化なのです。
・・・なんて断言すると少し乱暴かな?
実際は全てがそれだけのせいではないからね。
「天皇」なんかは明治以降、自ら「エンペラー」へと寄せていった経緯があるし。
「武道」もこの平和な時代で勢力を保つために「社会体育(スポーツ)」としての肩書を存分に利用してるから。
”だけ”のせいにはしないけど、そういった影響もあるよって話。
そもそも「皇帝」って漢字じゃん?ヨーロッパに皇帝おらんよ。
上でも少し触れたけど、「皇帝」って漢字2文字なことからわかるようにチャイニーズのボスのこと。
最初に「皇帝」を名乗ったのは昔のチャイナを統一したらしい「秦」って国の「始皇帝」ってオッサンや。
マンガの「キングダム」で有名だから知ってる人も多いだろうけど、当然ながらアレはマンガだからフィクションやでー。
いまのチャイナより小さいし、「国」の意味もいまと違うからなー。
話し戻すと、最初に「皇帝」を名乗ったのは始皇帝です。
始皇帝がチャイナ統一したあと、「王」じゃない称号なのるぜってなったとき、臣下たちは「秦皇」はどうかと提案したらしいけど、始皇帝みずから「皇帝」を提案し自ら名乗ったらしい。最初の皇帝だから「始皇帝」でそのあとは「二世皇帝」、「三世皇帝」ってなる・・・はずだったようだ。
日本に日本神話があり、ギリシャにギリシャ神話があるように、中国にも「中国神話」みたいなのがある。
その中国神話の最後の方に、神話っていうか「伝説(いいつたえ)」の領域になってくると「三皇五帝」といかいう半分神みたいなレジェンド達がでてくるのだが、その三皇五帝からとって「皇帝」とした説がある。
別の説だと、もっとシンプルに「光かがやく神」って意味だとする説もある。「皇」が光り輝く、「帝」は地上の君主って意味から直訳した漢字?
まあ、ようはメッチャ偉いボスってことよ。
ここまで「皇帝」の由来を述べてきたが、ここまでの話から分かるように
チャイナ式の「皇帝」= 「専制君主」
であることが特徴である。(一部例外もあるが、「唐」の皇帝とかね)
じゃあエンペラーや天皇は専制君主じゃないの?ってなるだろうから次はエンペラーの話にうつろうかな。
(補足)
そもそもチャイナ(china)。あえて中国とは呼ばない。
英語だとチャイナ、フランス語だとシーナ。なぜか日本人だけシナ(支那)と呼んではいけないらしい。
(ちなみに支那に侮辱的な意味はない。ただ尊敬する意味もない。チャイナ様への尊敬を込めて中華「世界の中心の文明」と呼べというチャイナ様からのリクエストらしい)
支那とは本来、黄河と長江の間の中原のあたりのみを指す、ごく狭い意味だった。
で、長江とかってメッチャ荒い河らしくて、つまり治水が何より大事!!
なので、「力」があって、周囲に睨みが効いて、人を動かせるやつが、やがてリーダーとなり王となる。
チャイナ式の皇帝ってそもそもは「荒れ狂う河川を治める人」。そしてチャイナで最大の資本家である。
だからかな?中国史で有名な皇帝ってみんな運河作ってるね
以上、補足でした。
じゃあ・・・エンペラー(Emperor)ってなに?
エンペラーの語源は結構有名でしょう。
古代ローマ帝国の軍事最高司令官である「インペラトール(imperator)」が語源。
ようは「将軍」よ。日本と一緒。
あくまで君主は天皇だけど、武士(軍人)のリーダーである将軍が政治やってたのと似てる。
似てるけど・・・ローマ皇帝はインペラトールを皇帝とか王様的な意味では使って無かったと思う。
そこは「カエサル」とか「アウグストゥス」とか言ってたんじゃなかったけ?
前期は「プリンキプス(第一市民)」で、後期は「ドミヌス(支配者)」と名乗った側面もあった。
もうちょい詳しく書くと。
ローマって元は王国だったけど、ローマ人じゃない異民族が王様やってて不満があった。
だからその王を追放して「俺らに王様なんていらねーんだ!」ってやったのが『共和政ローマ』
共和政って何故かイメージ良さげだけど、その本質は貴族共和政であり、王様いないから貴族の楽園状態。
そこから頭ひとつ飛び出でて「王」になろうとしたとされるのが「ユリウス・カエサル」。
このカエサルを実質的な初代ローマ皇帝として扱うことが多い。
そしてそのカエサルさんの肩書が、軍事司令官(インペラトール)だったことから、それ自体をローマ皇帝的な意味合いで呼ぶようにもなった。
けど、前項を読んでもらった人には分かるように、「ローマ皇帝」っていうワード自体が誤訳というか、正確なものいいではないのだけれど、いちいち訂正してると話すすまないので、世間様にあわせて「ローマ皇帝」って言葉を使わせていただく。
あと、カエサルは貴族仲間に嫌われて、ボスになる前に○されちゃったから、実際は初代ローマ皇帝ではなく、その養子のオクタヴィアヌスっていう青年こそが初代ローマ皇帝であり、その称号が「アウグストゥス(尊厳者)」だった事から、後のローマ皇帝たちが「カエサル」とか「アウグストゥス」とか名乗るので、それがローマ皇帝って意味の冠みたいになってる。
しかし、その初代の人も「皇帝」とは名乗ってなくて、自身では「プリンキプス(第一市民)」と名乗っていた。
養父であるカエサルみたいに暗殺されたくないから、あくまで控えめに・・・元老院の議員リストの一番目に名前があるだけの「第一」市民。
なんか「皇帝」って名称にイメージと違いません?
多くの人がイメージする「皇帝」ってチャイナ式「皇帝」のことであることが多いのです。
「専制君主」で独裁者。逆らうやつは皆殺し・・・的な?
だからかなー?日本で天皇批判してる人もこの辺を勘違いしてる人たまにいるように思う。
「平和な日本に天皇いらない!」とかさ。
歴史上は君主いなくなると世の中荒れるパターン多いけどね。
ローマ皇帝がプリンキプスだった頃を世界史の教科書では「プリンキパトゥス(元首政)」と呼んでいる。
一見、世襲っぽいけど一応は元老院(国会みたいなの)による信任のもと即位して、なんか大きい事やるときも元老院の承認が必要だったりするから「専制君主」とは少し違うかな?
もっとも、のちのカリグラ帝やネロ帝はその元老院と対立して処刑をしまくったから暴君とか呼ばれたし。
ローマ帝国自体が傾いてくると、「より強いパワーで国をまとめよう」として、ライバルのペルシャ帝国の体制をパクって専制君主化した。
これを「ドミナトゥス(専制君主政)」といい、皇帝はドミヌスとなる。
ドミヌスっていうのはラテン語で「支配者」って意味。
こっちの方のイメージで世の中の皇帝イメージ固まっちゃってるかな―?
(補足2)
ちなみに、プリンキパトゥス(元首政)を丸パクリしてるのが今のアメリカ合衆国。
上院(senate)なんてそのまんま元老院(senatus)だしね(笑)
他にもシリア大統領とか、某国家主席とか、皇帝を名乗ってないけど実質皇帝のひとなんて今でもいっぱいおるで!
よくいる進歩史観の人々がいう、
「世の中がよくなって近代化して、帝国や皇帝がいなくなって、民主主義ばんざーい」
なんてのは所詮、教科書の表層だけしか見てないってこと。
教科書にはそういう風に書いてあるから、試験中はそう答えた方がいいけどさ。
(補足3)
世界史の教科書にたびたび登場する偉そうな肩書の方々、あれもたいがいはローマ皇帝にルーツを持ちます。
ドイツやフランスなどのヨーロッパの国々は自分たちの先進性を、古代ギリシャ・ローマの文明の後継であることによると誇っているようなので、そうした国々の前進である国の君主たちもローマ帝国の後継を自称するような名前を名乗っていることがあります。たとえば・・・
- ドイツ : カイザー(Kaiser) = カエサル (Caeser)
- フランス : アンプルール(Empereur)= インスペラトール(Imperator)
- イギリス : エンペラー(Emperor)= 同上 *ただしイギリス王がエンペラーを名乗ったりはしてない。
- ロシア : ツァーリ( царь)= カエサル (Caeser)
みんなローマ皇帝を意味する言葉ですね。
天皇=皇帝=エンペラーじゃないの?
日本の天皇陛下は「エンペラーの称号をもつ世界で唯一の人」であることは間違いないです。
が、厳密にいえば天皇と皇帝とエンペラーはそれぞれ別の概念であり、ここまで読んでくれたかたにはもうおかわりの事かと思われます。
漢字2文字の皇帝とは「チャイナ式専制君主」。
エンペラーとは元老院に信任されたローマ皇帝。あるいはその後継を名乗る君主。
で、だ。
日本の「天皇」とは、祭祀王である。
日本国という国家の君主であると同時に、日本古来の神々を祀る神社組織のTOP。ようは神主さんたちのトップでもある。
明治以降の近代化、西欧化の過程で西洋式専制君主っぽい出で立ちをして、皇帝っぽく振る舞ったこともあった。
それに江戸時代に神聖ローマ帝国からドイツ人の学者がきて、日本を見た感想として「天皇という権威上の皇帝」と「将軍という世俗の皇帝」がいる。
・・・と称していたらしいから、明治以前からエンペラーっぽい何かがあったのかもね。
まとめ
もう前の項でまとめちゃった気がするけど。
皇帝とエンペラーと天皇はまっく別の存在であるということ。
とくに「皇帝」っていうと専制君主っぽい雰囲気でちゃうからなぁ。
外国人が日本の天皇を「エンペラー」って呼んでもそんなに違和感はないかもだけど。
中華皇帝を「エンペラー」って呼んじゃうと、それかなり性質ちがうけどダイジョブ?って思っちゃうかな。
あんまり長くなると難しい話しになってくるので今回はこの辺で。
では。
また。
どこかで!